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タイにあるミラー財団人身売買防止プロジェクトの活動紹介ブログ


by mirrorAHT
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児童労働の調査 ゴールデントライアングル 後編

前編に引き続き「後編」でもフエコイロイ村での調査に関してご報告します。

この村ではみんな少なくとも中学3年生までは問題なく勉強をし、そこからチェンコン地区にあるNGOの寮に入って高校に通うというのがスタンダードな形のようです。
近所の学校は高校まであるのでそこで高校まで勉強することも可能なようですが、みな家を出て寮生活をしながら勉強をしているようです。

「高校に進学しますか?」という質問に対し、中学生の子はどの子も「わからない」という答えでした。
たぶん行けるのだけれど、何でもその時にならないとわからないんだそうです。

児童労働の調査 ゴールデントライアングル 後編_e0187112_13103298.jpg


兄弟7、8人は当たり前!大家族です。


また、近所で中国語を学ぶところがあり、有料ですが中国語を習っている子もたくさんいました。
最初はただの語学だけかと思ったら、中国語を使って中国の教科書で算数や理科などもやっているようでかなりの語学力があると思われます。
ですから、将来的には中国とのメコン川貿易にかかわる仕事などをするのかな?と思ったのですが、そういうわけではなくメコン川貿易にかかわる仕事をしている村人はおらず、インタビューしたうち何軒かでは、年上の兄弟がバンコクで働いているという家庭もありました。

卒業後の進路は、チェンライ県内の食堂やお店で働くもしくはバンコクで働くというのが一般的のようです。
バンコクで働くって何をしているんですか?という質問に対しては明確な答えが返ってきませんでした。
村に残るお父さんとお母さんは、国籍もないしバンコクには行ったこともないし全くイメージがつかないんでしょう。
「とにかくバンコクに行きました」というばかり。

少し心配なのは、家庭によってはバンコクに行った子どもとなかなか連絡がつかないという家庭もありました。
この村自体は携帯電話の電波がないのですが、バンコクの子どもが携帯を持っていないとは思えないので、こっちからかければつながると思うのですが・・・。


インタビューした11世帯中、特に2世帯気になる家庭がありました。

1つは、お父さんがAIDSで亡くなりお母さんもHIV感染しているという家庭。
まだ発症には至っていないようですが、体調が崩れることもあって健康な人と同じようには仕事ができないそうです。この村の多くの人たちは、ミエン族から土地を借りての小作農で生計を立てているので、収入はどれだけ耕作しどれだけ野菜が売れたかということにかかっています。仕事量が少ないお母さんは当然収入も少なく、また、妹が寮に入って勉強をしているためその生活費もかかっており生活が苦しいということでした。
幸いなことにこの家族には国籍があるので治療費に関しても非常に安価であるし、政府の奨学金(貸与)によって高等教育をうける機会があるということです。
場合によってはAIDS孤児になりかねないケース(母親が今後さらに状態が悪化した場合、保護者不在になる)なので、もし今後助けを必要とすることがあれば連絡するようにと伝えて来ました。親戚が助けてくれればいいのですが、親戚も豊かなわけではないので、養ってくれるかわからないのです。

2つめは、お父さんが結核にかかっている家庭。
やはり病気にかかっていると様々な問題が出てきます。そしてこの家族の場合は、お父さんが結核とは分かっているけど、全く治療をしていないということでした。大きな一つの部屋に家族みんなで暮らしているので、家族に感染させてしまう可能性もあるし村の中での感染を広げてしまうかもしれません。この村にはHIVに感染した人もいるので衛生対策には万全を期さなければなりません。病院にかからないのは国籍がなく治療費が高いからだということでした。
ただこの家族の場合、行こうと思えば行けるけど特に症状がひどくないから行っていないようなので「早く病院へ行ってください。どうしてもお金の問題があるなら話し合いましょう」と伝えて来ました。
by mirrorAHT | 2009-07-05 14:08 | 日々の活動