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タイにあるミラー財団人身売買防止プロジェクトの活動紹介ブログ


by mirrorAHT
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5歳の子ども

あるアカ族の村で、5歳の男の子(以下、A君)が17歳の男性(以下、B)に性的に暴行されるという事件が起きました。


A君の家族が皆、偶然家の中にいなかったときにBが家の中に入ってきて、A君を性的に暴行しようとしたそうです。
途中、A君のお母さんが泣き叫ぶA君の声を聞きつけて家に急いで戻ってきたそうです。


今日は、A君家族と共に警察へ行きました。事件発生は先週だったので、少し時間が経過しています。
その間A君は病院にいたそうです。


そもそもなぜ警察に私たちもついていくことになったのか。
根の深い問題があるのです。


A君の事件のことは、あっという間に村内に知れ渡りました。
村の中で起きたことというのは良いことも悪いこともあっという間に知れ渡ります。

その村にはミラーのスタッフも住んでいるので、早速A君の家に行き、「警察に届け出なさい」とアドバイスし、次にBの家に行き、Bの両親に「警察へ自首するように」と促しました。



しかし、ミラーのスタッフがBの家族に言われたのは・・・


「余計なことをして!殺してやる!」



常識的な感覚では、自分の息子が幼い子どもにそんなことをしたら罪の意識を感じてもいいとおもいますし、本当にそんなことをしたのであれば、更生してほしいと思うと、私は思っていたのですが、それはどうやら甘かったようです。


本当に殺されかねないので、このスタッフは、人身売買を防ぐプロジェクトにこの問題に関して引き続き面倒を見てほしいと言ってきたというわけです。

A君たちが暮らす村の村長とB家族は親戚で、どうやら村ぐるみでBの犯行の隠蔽にかかったようです。


警察で初めてA君家族に会いましたが、A君のお母さんはタイ語がほとんど話せないよう(普段はアカ語で会話しています)で、お父さんが通訳していました。


BはA君にオーラルセックスを強要し、その後肛門に性器を挿入しようとした際にA君のお母さんに見つかったとのことで、A君の体内に精液が残されておらず物的証拠に欠けているということでした。

目撃者も被害者であるA君本人と、A君のお母さんの2人しかいません。


2人は、今度正式な調書作成のため、町の大きな警察まで行くことになりました。

警察は、ある一定の日付までに警察にBが出頭してこなかったら、捜索して逮捕することになるだろうと話していました。
幼児に対する性的な暴行は4年から20年の懲役刑だそうです。
ただ、Bもまだ18歳にはなっていないため、少年法が適応され「刑務所」ではなく「更生施設」へ行くことになるようです。


A君のお母さんはとても不安そうでした。
自分のかわいい子どもがつらい目に遭い、隣人からは脅され、今後どうなるかもわからない・・・そんな状況です。

幸い、A君には怪我などはなく、健康面では心配がありません。
精神的なことに関しては、現段階では判断できませんが、今後も見守っていく必要があるでしょう。



Bはなぜそのようなことをしてしまったのでしょうか。
警察の話によると、他の場所に彼女もいたようですから幼い男の子にしか性欲を感じないという問題を抱えているわけではないようです。

麻薬をやっていた可能性もあります。
でも私はもっと根本的な問題があるように感じているのです。


Bがなぜそのようなことをしてしまったのかということをしっかり考えていかないと、問題は全く解決していかないし場合によってはA君が将来Bのようになってしまうかもしれません。

Bは悪いやつだ!

ということで議論を終わらせないようにすることが大切だと感じています。


今後もこのケースに関しては動向を見守っていくつもりです。
by mirrorAHT | 2009-06-16 11:40 | 日々の活動